簡単で確実にできる!公正証書遺言の作り方5つのステップを徹底解説

「公正証書遺言を作成したい」と思っても、どうすればいいかわからないということはありませんか?

作成方法がわかり、スムーズできることが望ましいですよね。

そこで、公正証書遺言の作成方法をわかりやすく、具体的にまとめました。この5つのステップを踏むことで確実に公正証書遺言を作成することができます。

また、公正証書遺言を作成する際に知っておくべきポイントもご紹介していきます。

簡単で確実な方法で、公正証書遺言を作成しましょう。

1.公正証書遺言の作成方法~5つのステップ~

1章では公正証書遺言を作成する際の5つのステップをご紹介します。

以下のフローに沿っていけば、誰でも簡単に公正証書遺言を作成できます。

1-1.遺言書の原案(メモ)を作成する

公正証書遺言を作成するときには、まず、遺言書の内容を決める必要があります。

以下の手順で、遺言者であるあなたの考えを箇条書きでまとめていきましょう。

書式などは気にせず、考えをまとめたメモで構いませんが、公証人との打ち合わせで必ず必要になるのでぬけ漏れのないようにすることが大切です。

1-1-1.相続したい財産を洗い出す

遺言書に記載する、あなたが相続したい財産を一覧表にしましょう。

大きくは以下の4つになります。

  • 現預金
  • 不動産
  • 株式
  • その他(生命保険、権利関係など)

例 【財産一覧メモ】

  • A銀行Y支店:300万円
  • B銀行X支店:定期預金
  • ゆうちょ銀行:500万円
  • 自宅:東京都吉祥寺市
  • 借地(アパート):神奈川県川崎市〇〇区…
  • 株式:◯◯電気300
  • 生命保険:○○生命保険会社 ○○支店
  • 養老保険:○○生命保険会社 ○○支店

お金に換算できるものはすべてあなたの財産となりますので、過不足がないようにすべて書き留めておきましょう。

1-1-2.誰に何を相続させるかを決める

先に洗い出した財産を、誰に相続するかを決め、一覧にしましょう。

誰に何を相続するかは基本的に遺言者が自由に決められます。

ただ、遺産相続には「遺留分」というものがあります。遺留分とは、法律によって定められた相続人が必ず相続できる遺産のことです。これに配慮せずに相続指定をしてしまうと、せっかく作成した公正証書遺言が無効になってしまう可能性もあります。

詳しくは「2-3.遺留分に配慮しなければならない」で詳しく説明していますので、これを確認のうえ、考えるようにしてください。

例 【財産一覧メモ】

  • A銀行Y支店・300万円:長女
  • B銀行X支店・定期預金:次女
  • ゆうちょ銀行・500万円:長女
  • 自宅・東京都吉祥寺市:長男
  • 借地(アパート)
    神奈川県川崎市:アパート管理人Zさん
  • 株式
    ◯◯電気300株:義妹(長男の嫁)
  • 生命保険:受取人を孫1 ○○生命保険会社 ○○支店
  • 養老保険:受取人を孫2 ○○生命保険会社 ○○支店
< 遺言内容を実現するための遺言執行者 >

もし、もめ事が起きそうだったり、手続きをするのが難しかったりしそうな場合は、遺言の内容を実現するためのすべて手続きを行う権限を持つ「遺言執行者」を指定しておくと安心です。

この遺言執行者は相続人や証人、法人でも構いません。遺言執行者を指定する場合は、その旨を公証人に伝えましょう。

1-2.必要書類を集める

必要な書類は以下の通りです。

主なものはお住まいの市区町村の役場で申請することができます。

  • 遺言者の印鑑証明書
  • 遺言者と相続人の続柄がわかる戸籍謄本と住民票(本籍記載)
  • 相続人以外に遺贈する場合は、その方の住民票(本籍記載)
  • 財産に不動産がある場合は登記事項証明書、固定資産評価証明書
  • 財産・相続人を書いた一覧メモ(1-1-2.で作成したメモ)
  • 遺言執行者の名前、住所、生年月日を記載したメモ(必要な場合)
  • 証人予定者の名前、住所、生年月日、職業(証人を依頼済みの場合)

※遺言内容によっては、さらに必要になる書類もあります。公証人との打ち合わせの際に必要と言われた場合、別途、準備をしましょう。

1-3.証人を2人依頼する

公正証書遺言作成には証人が2名以上必要になります。

証人は誰でもいいというわけではありません。下記のような人は証人にはなれませんので、避けましょう。

【証人になれない人】

  • 未成年者
  • 遺言者の推定相続人
  • 遺産を受ける人(受遺者)とその配偶者、子・孫・父母・祖父母などの直系血族
  • 公証人の配偶者、4親等以内の親族、書記、雇人

証人をお願いするにあたり、依頼する相手が見つからない場合、もしくは遺言内容を知られたくない場合などは費用がかかりますが、弁護士や司法書士など法律の専門家等に依頼するという方法もあります。

また、公証役場で証人を紹介してもらうこともできます。その際の費用(手数料)は公証役場によって異なりますが、証人1人あたり10,000円程度です。

1-4.公証人と打ち合わせをする

原案(メモ)が完成し、書類を集めたら、最寄りの公証役場に連絡をして、面談予約をとります。

以下のページから、最寄りのところを探してみてください。

公証役場一覧 http://www.koshonin.gr.jp/list

打ち合わせの際は「原案(メモ)」と「必要書類」を持参します。

そして、遺言の細かい文言を詰めていき、法的に間違いのないものに仕上げていきます。

もし、健康上の理由等で出向けない場合、自宅や病院などへ出張してもらうことも可能です。

打ち合わせの回数や内容は公証人によっても異なりますが、平均1〜2回となります。

最後に、実際、公正証書遺言を作成する日を決定します。

1-5.公証役場に出向き、遺言を作成する

公正証書遺言を作成するのは、基本的に公証役場となります。

決定した作成日に遺言者と証人2人以上が公証役場に出向きます。

健康上の理由等で出向けない場合は、公証人に自宅や病院などへの出張を依頼することもできます。

【当日の流れ】

① 遺言者が遺言内容を口述し、公証人が筆記する

② 公証人が証書の内容を、遺言者と証人の前で読み上げる

③ 遺言者と証人が署名、押印する

④ 公証人が署名、押印し、証書が方式にしたがって作成されたものであると付記する

⑤ 公正証書遺言は原本と写しである正本、謄本の3通を作成
原本は公証役場にて保管、正本と謄本が遺言者に渡される

⑥ 公正証書遺言の作成費用を精算する

これで公正証書遺言が完成となります。

2.公正証書遺言を作成する際に知っておくべきこと

公正証書遺言を作成する上で知っておくべき費用やルールについてご紹介します。

作成する前に知っておくことで、スムーズに作成ができるでしょう。

2-1.費用(手数料)がかかる

公正証書遺言を作成する際には費用(手数料)がかかります。

その金額は法律で決められており、全国一律です。

この手数料は財産の額や受け取る人数によって変わってきます。以下にその手数料をご紹介します。

遺言書に記載する財産の合計額 手数料
100万円以下 5,000円
100万円超え200万円以下 7,000円
200万円超え500万円以下 11,000円
500万円超え1,000万円以下 1,7000円
1,000万円超え3,000万円以下 23,000円
3,000万円超え5,000万円以下 29,000円
5,000万円超え1億以下 43,000円
1億円を超え3億円以下 43,000円に5,000万円ごとに13,000円を追加
3億円を超え10億円以下 95,000円に5,000万円ごとに11,000円を追加
10億円を超える場合 249,000円に5,000万円ごとに8,000円を追加

参考:日本公証人連合会
 http://www.koshonin.gr.jp/business/b01

この表をもとに手数料を求めていきましょう。

また、以下のような場合は、上記の表から算定した額に加算されます。

<加算されるケース>
  • 相続財産の総額が1億円以下:11,000円加算
  • 遺言書の中で祭祀承継者(お墓を守る人)を指定する場合:11,000円加算
  • 以前、作成した遺言を撤回する場合:11,000円加算
  • 公証人が病院や自宅に出張する場合:表から算定した2分の1の額を加算
     日当(4時間未満:10,000円 4時間以上:20,000円)

交通費の実費

  • 公証役場に証人を依頼した場合:10,000円程度/1名あたり

13人の相続人がそれぞれ3,000万円ずつ相続する場合

   23,000×3+11,000円=80,000

2A1億円、B3,500万、C2,500万をそれぞれ相続する場合

   43,000+29,000+23,000円=95,000

< その他費用について >

上記の公証役場への手数料のほか、以下の費用がかかる場合があります。

  • 戸籍謄本や印鑑証明など必要書類の取得費用:1,000〜5,000円
  • 2人の証人への日当:10,000円程度/1名あたり 
  • 専門家へ作成代行を依頼した場合:10〜20万円程度

依頼する証人や専門家への代行など状況次第で変わりますので、必要に応じて準備しましょう。

2-2.公証人に遺言内容は相談できない

原案(メモ)を持って公証役場に出向き、打ち合わせをしますが、この際、「誰にどの財産を相続させればいいか」「どうしたら相続税がかからないか」などの内容について公証人に相談することはできません。

公証人はあくまで遺言者の意思にしたがって、遺言書を正しく作成する手続きをしてくれる人です。

内容について相談したい場合は、弁護士や司法書士などの専門家に依頼しましょう。

2-3.遺留分に配慮しなければならない

遺言者の兄弟姉妹以外の法定相続人には、遺言があっても侵害できない「遺留分」というものがあります。これは法律上、相続人に保障された一定の割合の相続財産のことを指します。

つまり、相続人には一定の割合の遺産をもらう権利があるということです。

遺留分を受け取る割合は以下のようになっています。

【遺留分の割合】

  • 直系尊属(親・祖父母)のみが相続人になる場合遺産全体の3分の1
  • それ以外(配偶者・子など)遺産全体の2分の1

これを表にすると以下のとおりです。

<遺留分一覧>

相続人 遺留分権利者 遺留分の割合
配偶者のみ 配偶者 2分の1
配偶者と子 配偶者 4分の1
4分の1
配偶者と直系尊属 配偶者 3分の1
直系尊属 6分の1
配偶者と兄弟姉妹 配偶者 2分の1
兄弟姉妹 0
子のみ 2分の1
直系尊属のみ 直系尊属 3分の1

この遺留分に配慮せずに公正証書遺言を作成しても、法律上、無効になることはなく、作成は完了します。

しかし、この遺留分の権利を主張されてしまうと、遺言者の思いどおりにできない可能性があります。

あらかじめ遺留分を考慮した上で遺言内容を決めましょう。

3.まとめ

公正証書遺言を作成するためには以下の5つのステップをふめば、誰でも簡単かつ確実に作れます。

① 遺言書の原案を作成する

② 必要書類を集める

③ 証人を2人依頼する

④ 公証人と打ち合わせをする

⑤ 公証役場に出向き、遺言書を作成する

それぞれ順を追って、注意すべき3つのポイントをおさえて、公正証書遺言をさっそく作成してみましょう。

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