タワーマンション節税とは?期待できる2つの効果と注意点を徹底解説

タワーマンション 節税

タワーマンション節税とは、買った値段より相続税の申告額が大幅に低くなるというタワーマンションの特徴を生かした相続税の節税スキームです。

「タワマン節税」は、国が規制を加え、封じ込めようとしていますが、従来の節税効果からは多少は下がることになるだけで、大勢にはたいした影響はないと思います。

「タワマン節税」が「著しく不適当」と判断されないためには、購入と売却のタイミングがキーポイントになります。
以下、専門家としてのお役に立つ貴重な情報をお伝えしていきます。

1.タワーマンション節税とは

タワーマンション節税とは、相続税評価額と購入価額(時価)の開きがとりわけ大きく、この開差を利用した節税方法です。

2012年頃から、アベノミクスにより都心の家やマンション価格が上昇しはじめ、2015年に基礎控除額が引き下げられるなど、「相続税強化」を契機にブームが加速しました。

1-1.タワーマンション節税で期待できる2つの効果

1)相続税対策になる

相続税の節税のため、タワーマンションの高層階を購入し、賃貸をする。相続税の計算は、預金、株式、現金等は時価のままですが、家やマンションの相続税評価額は時価に比べ、かなり低くなります。なかでもタワーマンションは相続税評価額と時価の開きがとりわけ大きくなります。
それを利用した、相続対策を「タワマン節税」といいます。

2)固定資産税対策となる

タワーマンションは、相続税だけでなく、固定資産税も非常に有利になっています。
固定資産税には、狭い住宅地(200㎡以下)には大幅な割引特例制度があります。固定資産税は、土地や建物の評価額に対して、1.4%かかることになっています。しかし、住宅用の狭い土地(200㎡以下)に関しては、固定資産税は6分の1でいいという規定があります。
マンションの土地所有面積は建築面積ではなく、マンションの敷地を、戸数で割ったものとなります。つまり、マンションの場合は、ほぼ100%、土地の固定資産税は6分の1になります。

1-2.タワーマンション節税の仕組み

富裕層の中には、相続対策のために「タワーマンション」を購入する人がいます。
どうしてタワーマンションを購入すると、節税(タワーマンション節税)ができるのでしょうか?

①相続税評価額が下がる
相続税が発生する場合、(財産を譲る側)の財産の価額は、財産評価基本通達(国税庁が定めている評価基準)によって決められます。この金額を「相続税評価額」と呼びます。
この相続税評価額が高いほど相続時の税額が高くなり、相続税評価額が低くなるほど、税額は低くなります。
つまり、相続税額を低くしたいなら、あらかじめ、持っている財産の評価額を低くしておく必要があります。
評価額を低くするためのひとつの方法が「タワーマンション」の購入です。

②具体的な計算例
現金で相続すれば、「金額=相続税評価額」になります。
ですが、マンション(土地や建物)の場合は、一般的に評価額は時価(実際の売買価格)よりも低く算出されます。
2011年から2013年に売買された343物件を国税庁が試算したところ、評価額は平均で「時価の3割ほど」でした。
仮に「1億円」を相続する場合、現金なら「1億円」に相続税がかかりますが、マンションを購入しておけば、評価額は「3,000万円」となり、7,000万円の評価減になります。

「タワーマンション節税」は時価と評価額の乖離(購入額と評価額の開き)に着目し、高額物件を安く評価して申告する方法です。現金を相続するよりも、タワーマンションの部屋を相続したほうが、相続税をはるかに少なくできるわけです。

③高層階ほど相続税評価額は下がる
マンションの評価額は、土地と建物が別々に計算されます。
総戸数が多いマンションほど、各戸の土地の持分は小さくなるので、土地の評価額は小さくなります。
建物は、同じ専有面積であれば、低層階でも高層階でも評価額は同じですが、市場価格は高層階ほど高額なので「タワーマンションの高層階」ほど節税効果があります。

2.タワーマンション節税で注意する3つのポイント

2-1.タワーマンション節税については、投資リスクがある

タワーマンションの購入は、「時価が高く、評価額は低い物件」を所有することによって相続税を低くするメリットがあります。
ですが、この方法が通用しないケースがあります。

タワーマンション節税は、マンションの市場価格が「変わらない」ことが前提です。
マンションの価値が下落すれば、マンションを売っても、損をすることもあります。
「相続税は下がっても、財産はそれ以上に減ってしまう」ということにもなりかねません。

相続税を1,000万円節税できたのはいいが、資産価値が2,000万円下落したのでは、元も子もないからです。

2-2.タワーマンション節税について、課税強化の動きがある

また、この節税スキームを利用した「行きすぎた節税」が多発し、国税庁がチェックを強めています。相続直前にタワーマンションを購入し、直後に売却すると、課税強化の対象になる可能性が高くなります。

親から相続したタワーマンションをめぐって、ある親族が東京国税局に追徴課税されたケースがあります。

病気で入院していた父親が亡くなる1ヵ月前に、親族が代理人となって、約3億円のマンションを購入しました。
父親の死後、マンションを相続した親族は、マンションの評価額を「6000万円」と計算して相続税を申告。
相続の4か月後にはマンションを売却し、購入額(約3億円)とほぼ同額で売却したのです。

この親族が行った節税は、結果的に、失敗に終わっています。
「判断能力のない父親の名義を無断で使って契約したこと」
「相続前後の短期間だけ所有したマンションを通達で評価するのは不公平である」
と認められ、親族は追徴課税を支払うことになりました。

(参照:「朝日新聞デジタル」2016年2月12日)

否認されやすい「タワマン節税」の例です。

1.相続が発生する数か月前に購入している

2.購入時点で被相続人に認知症の疑いがあった

3.相続が発生してすぐに売却している

それでは、どのような事例が適正な節税であると認められるのでしょうか。

1.タワーマンションの取得目的を明確にし、利用していき、節税目的でないことを明確にしておく必要があります。

2.相続税の調査は、通常、申告してから1~2年後が目安となり、税務調査のある可能性は相続税の場合5年以内となります。
税務調査が終了するまでは出来る限り長く保有・利用し、活用を続けていくことです。

3. タワマン節税では、購入と売却のタイミングが大きなキーポイントになります。
相続したタワーマンションに相続人が自ら居住していれば売却の時に「居住用財産の3,000万円特別控除」が適用されます。

2-3.2017年以降に販売されたマンションは固定資産税の改正が適用される

平成29年度の税制改正で、2018年度からタワーマンションの固定資産税の計算方法を見直すことにしました。

高さ60mを超える居住用建築物の固定資産税、都市計画税、不動産取得税が、これまでは、面積が同じであれば、階層がどこの階層でも税額が同じでしたが、2018年度から新たに課税されることとなる居住用建築物については、上層部になればなるほど税額が増えることになり、一方、低層階の固定資産税は下がることになります。

ただし、2017年4月1日前に売買契約締結のものは改正適用除外(特例)となります。

また、2017年以前に完成しているタワーマンションであれば、2018年以降に中古で購入してもやはり、以前のままです。

3.相続税対策は専門家に相談しましょう

相続税の節税対策は、国税と納税者のいたちごっこの繰り返しです。

納税者としては、節税対策は封じられる可能性があることを念頭において、節税面だけではなく、資産価値としての側面にも注意して、相続税の節税対策を進めるべきでしょう。

相続税の節税のためだけに、安易にタワーマンションを購入し、相続直後に売却すると課税されるリスクがあります。

その他、節税を考えている人は、相続税に詳しい税理士に相談してから進めるようにしましょう。

4.まとめ

今後、タワーマンション節税に対して、相続税法上の「時価」に影響を及ぼすような固定資産税評価基準や財産評価通達の見直しが行われる可能性がありますし、通達によらない個別の財産評価による課税がなされる可能性もありますので、引き続き留意が必要な状況です。

タワマン節税が、相続税対策として有効な節税方法であることには変わりはありません。
また、2018年以前の物件については、規制の対象外です。

相続税の節税だけを目的としたタワーマンションの購入は、必ずしも得策だとは言い切れません。

本来の目的(タワーマンションを賃貸する、住居とする)を見失うことなく節税を考えることが重要です。

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