現金を相続税を払わずゼロ円で財産を引き継ぐ7つの方法

「生前贈与を現金で手渡しすれば、税務署にバレないので税金ゼロで贈与できる?」

「現金を生前に贈与する場合、なるべく税金を少なくする方法ってある?」

そんな疑問で頭の痛い思いをしていませんか?

安心してください、現金を税金ゼロで生前贈与する方法が7つもあるのです!

もちろん税務署をゴマかすような脱税まがいの危険な方法ではなく、法律が認める範囲内での節税方法です。

それは、生前贈与の控除や特例制度を利用するもので、

◎ 基礎控除で毎年110万円までは非課税で贈与できる
◎ 「相続時精算課税」という制度で、2,500万円まで非課税で贈与できる
◎ 子どもや孫に住宅資金を贈与する場合、最大3,000万円まで非課税になる

など、多額の贈与を非課税で行うことが認められています。

これらの制度を上手に適用して生前贈与すれば、贈与税を大幅に圧縮することも、時にはゼロにすることも可能というわけです。

そこでこの記事では、

◎ 現金を非課税で生前贈与する7つの方法
◎ 生前贈与の注意点

について、詳しくわかりやすく解説していきます。

これを読めばあなたがどんな制度を使って生前贈与できるか、いくらまでなら非課税で贈与できるかを具体的に知ることができるでしょう。

また、万が一にも税務署から「これは生前贈与の控除や特例が適用されない贈与だ」とみなされて、多額の贈与税を課せられることのないよう、生前贈与の注意点も心に留めておけるはずです。

この記事で、あなたが合法かつ安全に、税金ゼロで現金を生前贈与できるならば幸いです。

1.現金の生前贈与は非課税でできる!

「財産を子どもや孫に遺したいけれど、税金はなるべく少なく抑えたい」
「生前贈与として現金を直接渡せば、贈与したことは誰にもわからないから税金も払わなくていいのでは?」

そんな風に考える人もいることでしょう。

しかし、これは脱税というれっきとした違法行為ですので、税務署に知られれば高額の追徴課税を支払う必要がありますし、税務署にバレる確率は高いものです。

反対に、そんな危険を冒さなくても、法律で認められた範囲内で、現金を非課税で生前贈与する方法がいくつもあります。

というのも、国は親や祖父母世代の財産を早めに子や孫世代に引き継ぐことで、経済が活発に回ることを期待していて、そのために生前贈与の優遇制度をいろいろと用意しているからです。

例えば、生前贈与の贈与税が控除されたり、贈与税が一部非課税になる特例があったりと、ほとんどの人が何らかの優遇制度を利用して、節税しながら生前贈与できるようになっています。

各制度をうまく利用すれば、多額の財産をまったく非課税で生前贈与することも可能です。

そこで2章からは、現金を非課税で子どもや孫に遺す方法について解説していきます。 法律を守って安全安心に節税してください。

2.ゼロ円で財産を引き継ぐ7つの方法

生前贈与には本来贈与税がかかりますが、これを控除されたり免除されたりする制度や特例が多くあります。それを利用することで、贈与税ゼロで生前贈与することが可能になるわけです。

この章では、贈与税がかからない贈与形態を7つ紹介しますので、自分の場合にも利用できそうなものを見つけてみてください。

2-1.基礎控除110万円以内で暦年贈与する

贈与税には基礎控除があります。
贈与される側一人当たり1年間で110万円までは、贈与税は課税されないのです。

例えば、120万円贈与した場合は、「120万円−110万円=10万円」なので、10万円にだけ課税されます。

逆に、100万円贈与した場合は、贈与税は発生しません。
これを利用して、毎年110万円以内の金額を贈与し続ければ、多額の財産を贈与税ゼロで贈与することができます。

3,000万円の預貯金をふたりの子どもに1,500万円ずつ贈与したいと思ったら、例えば100万円ずつ毎年贈与していけば、

3,000万円 ÷(100万円 × 2人)=15年

つまり15年間かければ、贈与税ゼロで全額を子どもに遺せるというわけです。
この節税方法は暦年贈与と呼ばれ、実際に行なっている人も多い有名なものです。

ただ、注意しなければいけない点もあります。

それは、

▼ 税務署から「もともと多額の贈与をするつもりで、小分けに贈与した=連年贈与」と判断されれば、贈与総額分の贈与税を課せられたり、相続時に贈与総額分の相続税を求められる可能性がある。

▼ 贈与する側(親など)が亡くなると、死亡時から3年以内に贈与した財産は相続財産とみなされ、相続税が課せられる。

ということです。

これらをクリアできれば、基礎控除を利用した暦年贈与はもっとも実践しやすい方法と言えるでしょう。

上記の注意点については3章で詳しく説明していますので、「3-2.連年贈与とみなされないようにする」「3-6.贈与者の死亡以前3年間の贈与には相続税がかかる」を参照してください。

2-2.相続時精算課税制度を利用する

「相続時精算課税制度」という制度があります。

これは、2,500万円までの生前贈与が特別控除となり、その代わりに相続時には贈与額分の相続税を支払うというものです。 生前贈与の贈与税を、相続時まで先送りする制度と言ってもいいでしょう。

詳しく説明すると、

◾️ 60歳以上の父母または祖父母から20歳以上の子・孫への生前贈与は2,500万円まで特別控除になる

◾️ 同じ父母または祖父母からの贈与なら、限度額2,500万円になるまで何回贈与しても特別控除である

◾️ 2,500万円を超えた贈与額に対しては、一律20%の贈与税が課される

◾️ 贈与した人(親など)が亡くなった時に、2,500万円までの生前贈与額を相続財産に加算して相続税を計算する

◾️ 算出された相続税から、生前贈与で2,500万円を超えたぶんに対して支払った20%の贈与税を引いた額を相続税として納める

◾️ この制度を利用すると、暦年贈与の非課税枠110万円が利用できなくなる
※なお、相続時精算課税を選択した受贈者が、相続時精算課税に係る贈与者以外の者から贈与を受けた財産については、その贈与財産の価額の合計額から暦年課税の基礎控除額110万円を控除し、贈与税の税率を適用し贈与税額を計算します。  

という制度です。

具体的に例を挙げると、以下のようになります。

《 親Aから子Bに相続時精算課税制度を利用して贈与する場合 》

【親Aの存命中】
1)AからBに相続時精算課税制度を利用して4,000万円を贈与
2)「4,000万円非課税分2,500万円=1,500万円」なので、1,500万円分にだけ贈与税がかかる
3)相続時精算課税の贈与税率は一律20%なので、Bは「1,500万円 × 0.2300万円」の贈与税を納める

【親Aが死亡】
4)死亡時の財産に、生前贈与分も加算したものを相続財産として相続税を計算する

 「死亡時の財産+生前贈与分4,000万円=相続財産総額」

5)算出された相続税から、生前贈与で納めた贈与税額を引いてBが納税する

  「算出された相続税額 − 300万円=実際に相続税として納税する額」

この制度のポイントは、相続財産が多くない場合、贈与税も相続税もかからずに生前贈与できることです。

というのも、相続税にも基礎控除があって、3,000万円+600万円×法定相続人の数」の金額までは相続税が発生しないからです。

例えば、以下のような例が考えられます。

◎父親A:全財産3,600万円、妻は死亡
◎息子B:一人っ子

1)Aの生前に、相続時精算課税制度を利用してB2,500万円を贈与贈与税は非課税

2)Aが亡くなる

3)遺った財産1,100万円 + 生前贈与2,500万円=3,600万円が相続財産 → 基礎控除以下のため、相続税は発生しない

相続時精算課税制度については、関連記事「相続時精算課税制度の申告方法とは?自分で申告する際の注意点も解説」 にさらに詳しく説明していますので、参照してください。

2-3.住宅取得等資金の贈与の特例を利用する

親や祖父母世代から子や孫世代に対して、住宅購入のための資金を援助する場合、最大3,000万円までの贈与は非課税になるという特例があります。

「住宅取得等資金の贈与の特例」と呼ばれ、省エネ住宅や耐震・バリアフリー住宅などの場合は特に非課税枠が大きくなっているのが特徴です。

「子ども世帯が家を建てたいというので、半額くらいは援助してあげたい」と考えているなら、ぜひこの特例を検討してみるといいでしょう。

ただし、2021年12月31日までの期間限定の特例で、期限が迫るにつれ非課税枠も減額されていきますので、利用するならなるべく早くがおすすめです。

非課税限度額は以下の通りです。

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
~平成271231 1,500万円 1,000万円
平成2811日~平成32年(2020年)331 1,200万円 700万円
平成32年(2020年)41日~平成33年(2021年)331 1,000万円 500万円
平成33年(2021年)41日~平成33年(2021年)1231 800万円 300万円

※ 住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合

住宅用家屋の新築等に係る契約の締結日 省エネ等住宅 左記以外の住宅
平成31年(2019年)41日~平成32年(2020年)331 3,000万円 2,500万円
平成32年(2020年)41日~平成33年(2021年)331 1,500万円 1,000万円
平成33年(2021年)41日~平成33年(2021年)1231 1,200万円 700万円

出典:国税庁ホームページ「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm

また、この特例は、以下の条件を満たす場合にのみ利用できます。

1)直系尊属(親や祖父母)から直系卑属(子や孫)への贈与である
2)贈与を受ける人が、贈与を受けた年の1月1日に20歳以上である
3)贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下である
4)平成21〜26年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがない
5)自分の配偶者や親族など近しい関係の人から住宅を購入したり、建築を請け負ってもらったりはしない
6)贈与を受けた年の翌年の3月15日までに、この資金の全額を使って住宅を新築または増改築する
7)贈与を受けた時に、日本に住所がある
8)贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その住宅に住む、または住む見込みが確実である

当てはまる人がとても多い特例だと思われますので、ぜひ利用してください。

2-4.教育資金の一括贈与の特例を利用する

子どもや孫の教育資金として、まとまった金額を贈与する場合にも特例で1,500万円の非課税枠があります。

詳しい内容は、

◾️父母や祖父母から、30歳未満の子や孫への教育資金の一括贈与は、子ども一人あたり1,500万円まで非課税になる
◾️学校にかかる費用は1,500万円まで非課税だが、塾や習い事にかかる費用の非課税枠は500万円までに限られる
◾️現金をそのまま贈与するのではなく、子や孫の名義で信託銀行などの金融機関に口座を開設し、そこに入金する
◾️子や孫は、教育費を一旦自分で支払い、その領収書を金融機関に提出すると同額を引き出すことができる
◾️贈与された子や孫が30歳になった時点で、贈与額を使い切らずにまだ残っていた場合は、その残額に対して贈与税が課せられる
◾️暦年贈与の非課税枠110万円と併用できる
◾️贈与される人の、贈与を受けた年の合計所得金額が1,000万円を超える場合は利用できない
◾️2021年3月31日までの期間限定措置なので、それ以降は利用できない

と定められています。

子ども一人あたり1,500万円までなので、二人いれば1,500万円ずつ、合計3,000万円を贈与することができますが、もし「父方の祖父母からも母方の祖父母からも贈与したい」となると、1,500万円の枠を2家族で分けて利用する必要があります。

例えば、「父方祖父母から800万円、母方祖父母から700万円」というようにです。

この特例は、直接現金を子や孫に渡せずに、金融機関が間に入って管理するため面倒ではありますが、教育資金以外の望ましくないことに使われてしまう心配がないというメリットがあります。

節税目的はもちろんですが、「孫の教育にお金を出してあげたいが、親である息子夫婦が使ってしまわないか心配」というような場合にも利用したい特例です。

2-5.結婚・子育て資金の一括贈与の特例を利用する

祖父母や両親が、子どもや孫の結婚資金、子育て資金としてまとまった金額を贈与する場合にも、使える特例があります。

「結婚・子育て資金の一括贈与の特例」と呼ばれ、最大1,000万円までの贈与が非課税となります。

詳細を説明します。

◾️父母や祖父母から、20歳以上50歳未満の子や孫への結婚・子育て資金の一括贈与は1,000万円まで非課税になる
◾️結婚資金+子育て資金としては1,500万円まで非課税だが、結婚資金のみの非課税枠は300万円までに限られる
◾️現金をそのまま贈与するのではなく、子や孫の名義で信託銀行などの金融機関に口座を開設し、そこに入金する
◾️子や孫は、結婚費用や子育て費用を一旦自分で支払い、その領収書を金融機関に提出すると同額を引き出すことができる
◾️贈与した父母や祖父母が亡くなった時点で、贈与額を使い切らずにまだ残っていた場合は、その残額に対して贈与税が課せられる
◾️暦年贈与の非課税枠110万円と併用できる
◾️贈与される人の、贈与を受けた年の合計所得金額が1,000万円を超える場合は利用できない
◾️2021年3月31日までの期間限定措置なので、それ以降は利用できない

この場合、結婚資金や子育て資金として認められるのは、以下の費用です。

結婚資金 結納、結婚式、新居の敷金・礼金、引っ越しなどの費用
子育て資金 妊娠ん・出産、不妊治療、保育所・幼稚園、ベビーシッター、子どもの医療などの費用

逆に、

▼結婚相談所やお見合いなどの婚活費用
▼新居の家具・家電などの購入費
▼ベビー用品や子ども用品

などは結婚・子育て資金と認められず、贈与されたお金から引き出すことはできないので要注意です。

2-6.夫婦間贈与の特例を利用する

婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用の不動産を購入するためのお金、または不動産そのものを贈与された場合、最高2,000万円までの配偶者控除が受けられます。

これは、「夫婦間贈与の特例」「おしどり贈与」などと呼ばれています。
(詳しくはこちらの記事をご参照ください。『お得か損かを徹底解説!~おしどり贈与のメリットとデメリット~』)

制度の詳細は、

◾️婚姻期間が20年を過ぎた夫婦の間で、自分たちが住むための不動産を購入する資金、または不動産そのものを贈与する場合、2,000万円まで贈与税の控除が受けられる
◾️贈与を受けた翌年の3月15日までに、この資金で取得した居住用住宅に贈与された配偶者が実際に住み、その後も住み続ける必要がある
◾️贈与税は控除されるが、不動産取得税や登記費用などは通常どおり支払う必要がある
◾️同じ配偶者間では、配偶者控除は一度しか受けられない
◾️相続時精算課税とは併用できない
◾️暦年贈与の非課税枠110万円と併用できる

ただこの特例は、不動産そのものを配偶者に贈与する際にはメリットがありますが、購入資金を贈与するメリットはあまりないとも言われています。

というのも、夫婦の場合、一方が亡くなった時の相続税にも配偶者控除が適用され、1億6,000万円という大きな非課税枠があるからです。

わざわざ2,000万円を生前に贈与しなくても、亡くなれば1億6,000万円までは非課税で財産を渡すことができるわけです。

生前にどうしても住宅購入費を相手に渡す必要があるというケースもあまりないでしょうから、利用するかどうかは慎重に検討する必要があります。

2-7.日頃の生活費や教育費として贈与する

特例や控除を利用する以外にも、法律が認めた範囲内で非課税贈与する方法はあります。

それは、日常で必要な生活費や教育費として贈与することです。

そもそも子どもや孫に対して、父母や祖父母といった「扶養の義務を負っている者」が、生活費や教育費といった費用を出すのは当然のことです。

むしろ、正しく扶養義務を果たすために必要なお金だと言えるでしょう。

そのため、扶養義務者から子や孫への生活費、教育費の贈与は非課税となっています。

ただし、まとまった金額を贈与する場合は、日常の扶養範囲を超えていると判断され、贈与税の対象になってしまいますので、注意が必要です。

◎その都度に必要なだけの金額を、
◎必要な時に随時渡す

ようにしましょう。

3.現金を生前贈与する場合の注意点

現金を非課税で生前贈与する方法をさまざま紹介しましたが、これらも100%非課税と認められるわけではありません。

気をつけて贈与しなければ、贈与税が課税されてしまうリスクもあります。

そこでこの章では、現金を生前贈与する際に、課税されないための注意点を6つお伝えします。

以下のことに留意して、適法に非課税の贈与をしてください。

3-1.生前贈与の成立要件を満たすようにする

まず生前贈与が「贈与」として法的に認められるためには、以下の二つの条件を満たしていなければなりません。

◎財産をあげる人ともらう人双方の間で「これは贈与である」と認識し、「あげる」「もらう」と合意していること

もし、祖父が「0歳の孫に財産を贈与したい」と考えたとします。
しかし、孫の方はまだ幼くて、「贈与」の認識もできませんし、「もらう」という合意もありません。
正式に親を代理人として契約をかわせば贈与も可能ですが、そうでなければ贈与とは認められません。
また、親が子ども名義の口座に、子どもに内緒で入金をして「贈与だ」と思っていても、子どもがその事実を認識・合意していない限り、贈与ではありません。

◎財産をもらった人が、それを自分で自由に管理し、使えるようになっていること

親や祖父母が子ども名義の口座に入金をしていたとしても、その口座の通帳やカードを子どもに渡していないなど、もらった財産がもらった人の自由にならない場合は「贈与」と認められません。
以上二つの要件を満たしていない場合は、「贈与」ではないとして贈与の特例や控除が適用されなかったり、贈与者が亡くなった時に相続税を課せられたりする可能性があります。
そうならないために、贈与する時にはお互いに必ず贈与の確認と合意をし、現金や預貯金などの財産は、贈与を受けた人に管理を任せましょう。

3-2.連年贈与とみなされないようにする

暦年贈与を利用する場合に注意しなければいけないのが、連年贈与とみなされないようにすることです。

連年贈与」とは、定期的に一定の金額を贈与することを取り決めて行う贈与のことで、贈与される総額に対して贈与税が発生します。

例えば、「毎年100万円ずつ15年間贈与する」とあらかじめ取り決めて贈与を行った場合、1年の贈与額は基礎控除額の110万円以下の金額であっても、贈与総額の1,500万円に対して贈与税がかかってしまうのです。
暦年贈与を規則正しく続けていると、税務署から「これは最初から大きな財産を贈与すると決めていて、分割して贈与しているにすぎない」「実質的に連年贈与と同じだ」とみなされ、課税される危険性があるということです。

それを避けるためには、いくつかの対策があります。

◎贈与するたびに契約書を作る
→面倒ですが、暦年贈与するたびに毎年契約書を作れば、「それぞれが個別の独立した贈与」となり、連年贈与とみなされにくくなります。

◎時期や金額をバラバラにして贈与する
→毎年同じ時期に同じ金額を贈与すれば、連年贈与とみなされるリスクは高くなります。そこで、「今年は4月に110万円」「来年は7月に90万円」「再来年は5月と9月に50万円ずつ」といったように、時期と金額を変えて贈与するとよいでしょう。

などです。

暦年贈与は利用する人が多いため、税務署も目を光らせているようです。

事前にできる対策はなるべく取っておきましょう。

3-3.贈与した証拠を銀行振り込みや契約書などで残す

もし上記の方法のいずれかを利用して、現金を手渡しで贈与したとします。その場合、贈与の証拠は何も残りませんよね。その状態で税務署に調査されると、基礎控除内での贈与だったことを証明できないため、結局贈与税を支払うことになりかねません。

それを避けるためにも、贈与の証拠を必ず残しましょう。

例えば、現金手渡しではなく銀行振込にすれば、いつ、誰が、いくら贈与したかの記録になります。

さらによいのは、贈与の契約書を残すことです。「贈与だった」という確かな証明になり、もし税務調査されても明確に説明することができます。

3-4.あえて少額の贈与税を支払って贈与の証拠を残す

暦年贈与を連年贈与とみなされたり、現金を手渡しで贈与したために相続税を課されるなど、「これは生前贈与ではない=控除や特例は適用されない」と判断されるリスクを避けるための、思い切った方法があります。

それは、控除や特例を利用する時に、あえて上限額を少し超える贈与をして、少額の贈与税を納めるというものです。

例えば、暦年贈与を利用して111万円を贈与します。すると、110万円分は控除されますから、それを超えた1万円に対してのみ贈与税がかかります。

贈与税の税率は、200万円以下であれば10%ですから、この場合は1,000円だけ納税することになります。

これにより、生前贈与であったこと、控除や特例が適用されていることが証明されるわけで、税務署に対してはこれ以上の確かな証拠はないでしょう。

贈与税の申告をする手間はありますが、リスクを最低限に抑える方法としてはおすすめです。

3-5.名義預金にはしない

3-1.の生前贈与の成立要件とも関わりますが、親や祖父母が子どもや孫の名義で預貯金をしているケースはよくあるでしょう。

これを「名義預金」と呼びますが、名義預金が誰の財産であるか、課税の対象になるかはしばしば問題になるところです。

子や孫が預金の存在を知らなかったり、預金の管理を親や祖父母がしていれば、それは親や祖父母の財産であって生前贈与とはみなされません。したがって、親や祖父母が亡くなれば、相続税が課せられてしまいます。

それを未然に防ぐには、まず名義預金はしないことです。

通帳やカードなどは子や孫に渡して管理を任せ、できれば贈与契約書も作りましょう。

また、親や祖父母が作った口座ではなく、子ども自身が作った口座に入金するようにすればより確実です。

3-6.贈与者の死亡以前3年間の贈与には相続税がかかる

生前贈与をした場合でも、贈与した親や祖父母が亡くなってしまうと、その死亡時からさかのぼって3年以内の贈与は相続財産とみなされ、相続税が加算されるという決まりがあります。

例えば、親が暦年贈与で毎年100万円ずつを子供に贈与していたとして、親が亡くなると、直近3年分の贈与額である「100万円×3年=300万円」は相続税の対象になるのです。

ですから、高齢の人が生前贈与を考えるなら、なるべく早く始める方がよいでしょう。

ただし、生前贈与のうち以下のものは、死亡から3年以内でも相続税の対象とはなりません。

◎ 相続や遺贈を受けない人(孫など)に対する生前贈与
◎ 住宅取得等資金の贈与の特例を利用した生前贈与
◎ 教育資金の一括贈与の特例を利用した生前贈与
◎ 結婚・子育て資金の一括贈与の特例を利用した生前贈与
◎ 夫婦間贈与の特例を利用した生前贈与

4.まとめ

いかがでしたか?

さまざまな控除や特例を利用することで、非課税で生前贈与できると実感できたかと思います。

では最後に記事の内容をもう一度まとめてみましょう。

◎現金を相続税を払わずゼロ円で財産を引き継ぐ方法とは、

1)基礎控除110万円以内で暦年贈与する
2)相続時精算課税制度を利用する
3)住宅取得等資金の贈与の特例を利用する
4)教育資金の一括贈与の特例を利用する
5)結婚・子育て資金の一括贈与の特例を利用する
6)夫婦間贈与の特例を利用する
7)日頃の生活費や教育費として贈与する

◎現金を生前贈与する場合の注意点は、

・生前贈与の成立要件を満たすようにする
・連年贈与とみなされないようにする
・贈与した証拠を銀行振り込みや契約書などで残す
・あえて少額の贈与税を支払って贈与の証拠を残す
・名義預金にはしない
・贈与者の死亡以前3年間の贈与には相続税がかかる

あなたに合った制度を利用して、なるべく贈与税を抑えた生前贈与ができることを願っています。

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