サラリーマンの方が確定申告で還付を受けることができる11の事例

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今年も確定申告の時期が近づいてきました。

多くのサラリーマンの方は、勤務先で年末調整をして所得税が確定しますので確定申告は必要ありません。

しかし、サラリーマンの方でも、確定申告をすると納め過ぎの所得税が還付される人がいるのをご存知でしょうか!?

年末調整で給与所得の金額から差し引くことができるのは14種類ある所得控除のうち、社会保険料控除、生命保険料控除や扶養控除等の11種類の控除です。

医療費控除寄附金控除及び雑損控除については年末調整では控除ができませんので、確定申告でこれらの控除を受けることになります。

・入院や治療などで医療費を支払った場合、確定申告で医療費控除を受けると所得税の還付が受けられます。

・国や地方公共団体、特定の公共法人などに寄附をした場合、確定申告で寄附金控除を受けることによって所得税の還付を受けることができます。

・災害や盗難などにより資産に被害を受けた場合、確定申告をして雑損控除を受けると源泉徴収されている所得税が全額還付されることがあります。

具体的な還付金の金額については、医療費控除などで所得控除が30万円増えると年収500万円のサラリーマン方で約1万5,000円から3万円年収700万円のサラリーマンの方で約3万円から6万円の還付が受けられます。

また、住宅ローン控除は、新築した住宅の種類によっては10年間で最大500万円の税額控除が受けられます。2年目以降は年末調整で控除を受けることができますが、入居した最初の年は、確定申告で手続きをして還付を受ける必要があります。

このようにサラリーマンの方でも確定申告をすることによって、納め過ぎの所得税の還付を受けることができます。この申告を還付申告といいます。

還付申告書は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。例えば、過去に医療費控除の申告を忘れていても、5年前であれば還付申告をすることができます。

サラリーマンの方が確定申告をすることによって還付を受けられる11の事例を挙げて説明しましたので、どのような場合に所得税の還付が受けられるのかを確認し、確定申告に向けて準備を始めましょう。

また、確定申告をするには、勤務先からの「給与所得の源泉徴収票」を確定申告書に添付する必要がありますので確実に入手しておきましょう。

目次

1.年末調整で生命保険料の控除証明書等の提出漏れがあったとき

生命保険や地震保険に加入していた場合、年末調整の際に「控除証明書」を勤務先に提出しますが、提出を忘れて、生命保険料控除や地震保険料控除が受けられなかったときは、確定申告でこれらの控除を受けることができます。

また、社会保険料控除や扶養控除などについても、年末調整で控除漏れがあった場合、確定申告で控除を受けることによって、所得税の還付を受けることができます。

【確定申告書に添付する書類】
勤務先に提出し忘れた生命保険料及び地震保険料控除証明書など

2.年の途中で退職し、再就職していないとき

年の途中で退職し再就職していない場合には年末調整を受けていないため、確定申告すると還付を受けることができる場合があります。

サラリーマンの方は毎月の給与から所得税を天引きされているため、中途退職した場合、所得税が払い過ぎになっている可能性があり、確定申告で社会保険料や生命保険料控除等を適用して計算すると所得税が還付されることがあります。

【確定申告書に添付する書類】
生命保険料及び地震保険料控除証明書など

3.医療費を支出したとき

自分又は生計を一にする配偶者や親族の医療費を支払った場合、一定額を超えるときは確定申告をすると還付を受けることができます。

例えば年収500万円のサラリーマンの方が年間で40万円の医療費の支出があった場合、約1万5,000円から3万円の還付が受けられます。

3-1.10万円以上の医療費を支出した場合(医療費控除)

自分又は生計を一にする配偶者や親族の医療費を支払った場合、次の計算により医療費控除が受けられます。

年間に支払った医療費 ー 保険金などの補てん金 ー 10万円(※) = 医療費控除の金額(最高200万円)

※その年の総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額 × 5%の金額となります。

【対象となる医療費】

  • 医師又は歯科医師による診療又は治療

  • 治療又は療養に必要な医薬品の購入

  • 通院などのための交通費

  • あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術

  • 助産師による分べんの介助の費用

  • 介護保険制度の下で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額など

【医療費から差し引く補てん金】

  • 生命保険契約などで支給される入院費給付金

  • 健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費

  • 出産育児一時金など

【確定申告書に添付する書類】

平成29年分の確定申告から医療費の領収書から「医療費控除の明細書」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)作成し確定申告書に添付することになり、領収書などの添付は必要なくなりました。

また、健康保険組合等から医療費の通知書がある場合には、通知書を確定申告書に添付することで医療費控除の明細書の記載は省略することができます。

3-2.市販薬を購入した場合(セルフメディケーション税制)

健康の保持増進や疾病の予防として「一定の取組」をしている方で、自分又は生計を一にする配偶者や親族の特定の市販薬を購入した場合、購入した金額の合計額から1万2,000円を差し引いた金額(最高8万8,000円)がセルフメディケーション税制の医療費控除の対象となります。

特定の市販薬とは、医療用医薬品からドラックストアで購入できる医薬品に転用されたもの(「スイッチOTC医薬品」)で、対象となる医薬品のパッケージに次の識別マークが掲載されています。

セルフメディケーション税制 ロゴマーク

またレシート(領収書)には対象製品であること(●印など)が表記されます。

セルフメディケーション税制 レシート

また、「一定の取組」とは申告者本人が次の健診や予防接種等を受けている場合です。

  • 健康保険組合、市区町村等が実施する健康診断(人間ドック、各種健診等)

  • 予防接種(定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種)

  • 勤務先で実施する定期健康診断(事業主検診)

  • 特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導

  • 市町村が健康増進事業として実施するがん検診

なお、セルフメディケーション税制の医療費控除は、医療費控除の特例であり、通常の医療費控除と重複適用はできず、どちらか有利な方の選択となります。

【確定申告書に添付する書類】
  • 医薬品等を購入した領収書、レシートから作成した「セルフメディケーション税制の明細書」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)
  • 健康診断の通知書または予防接種の領収書などで「一定の取組」をしたことがわかる書類

4.寄附をしたとき

国や地方公共団体、特定の公共法人などに寄附をした場合、確定申告すると還付を受けることができます。

例えば年収500万円のサラリーマンの方が地方公共団体に30万円の寄附をした場合、約1万5千から3万円が還付されます。

4-1.国、地方公共団体や公益財団法人への寄附金(寄附金控除)

次の「特定寄附金」を支出した場合、次の算式により、寄附金控除が受けられます。

その年に支出した特定寄附金の合計額 ー 2,000円 = 寄附金控除の額

(総所得金額等の40%が限度となります。)

【寄附金】

特定寄附金とは次の団体等への寄附金を言います。

  • 国、地方公共団体に対する寄附金
  • 指定寄附金
    公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金で、広く一般に募集され、かつ公益性及び緊急性が高いものとして、財務大臣が指定したもの

  • 特定公益増進法人に対する寄附金
    公共法人等のうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものと認められた特定公益増進法人に対する寄附金

  • 特定公益信託の信託財産とするために支出した金銭
    主務大臣の証明を受けた特定公益信託のうち、その目的が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すると認められる一定の公益信託の信託財産とするために支出した金銭

  • 認定NPO法人等に対する寄附金
    特定非営利活動法人のうち一定の要件を満たすものとして認められたものなど(認定NPO法人等)に対する寄附金

  • 政治活動に関する寄附金
    政党、政治資金団体、一定の公職の候補者等への寄附金
【確定申告書に添付する書類】
  • 寄附金の領収書等

  • 特定公益増進法人などであることの証明書の写し

  • 選挙管理委員会等の確認印のある寄附金控除のための書類

4-2.認定NPO法人や政党等への寄附金(寄附金特別控除)

特定寄附金のうち次の団体等への寄附金については、寄附金特別控除(税額控除)が受けられます。

① 公益社団法人等への寄附金

  • 公益社団法人及び公益財団法人

  • 私立学校法に規定する学校法人及び専修学校や各種学校

  • 社会福祉法人

  • 更生保護法人

  • 国立大学法人、公立大学法人等

② 認定NPO法人等への寄附金

③ 政党等への寄附金

寄附金特別控除(税額控除)は次のように計算します。

① 公益社団法人等寄附金特別控除  ( 寄附金の金額 ― 2,000円 )× 40% = 特別控除額

② 認定NPO法人等寄附金特別控除 ( 寄附金の金額 ― 2,000円 )× 40% = 特別控除額

③ 政党等寄附金特別寄附金     ( 寄附金の金額 ― 2,000円 )× 40% = 特別控除額

注1)①~③の寄附金の金額は総所得金額等の40%が上限です。

注2)①~②の特別控除額の合計額はその年の所得税額の25%が上限です。③の特別控除額はその年の所得税額の25%が上限です。

なお、この寄附金特別控除の対象となる寄附金は、寄附金控除(所得控除)との選択になりますので、どちらを受けるかは有利選択できることになっています。

4-3.ふるさと納税

ふるさと納税は、実際は地方公共団体への寄附金のことで、「寄附金額―2,000円」が寄附金控除の対象となります。また、寄附金の金額のうち2,000円を越える部分について、一定の上限の金額までは所得税と翌年の住民税から原則として全額が控除されます。

なお、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用した場合は、所得税の控除額も含めて翌年の住民税から控除されるため確定申告は不要となります。

5.災害や盗難などで資産に損害を受けたとき

災害や盗難などで資産に損害を受けた場合、確定申告をすることにより還付を受けることができます。

例えば年収500万円のサラリーマンの方が、盗難に遭い70万円の被害が生じた場合、確定申告すると約1万8千円から3万6千円が還付されます。

5-1.雑損控除

災害や盗難によって資産に損害を受けた場合には次の計算により雑損控除が受けられます。

雑損控除の額は、ⓐ、ⓑどちらか多い金額となります。

ⓐ:損害金額 + 災害関連支出の金額 - 保険金等により補てんされる金額 - 総所得金額等×10%

ⓑ:災害関連支出の金額 - 5万円

【対象となる損害の原因】

対象となる損害の原因は次の場合に限られます。また詐欺や恐喝の場合は対象にはなりません。

  • 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
  • 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害

  • シロアリなどの生物による異常な災害

  • 盗難

  • 横領

なお、損害額が多額となり雑損控除の額がその年の給与所得の金額から引ききれない場合には、翌年以降3年間、繰り越すことができます。

【確定申告書に添付する書類】
  • 災害に関連して支出した金額のわかる領収書等

  • 罹災証明書(り災証明書)(入手先:市区町村や各消防署)

  • 盗難届証明書(入手先:各警察署)

5-2.災害減免法による所得税の軽減免除

災害によって受けた自宅や家財の損害額が時価の二分の一以上であり、その年の所得金額の合計額(サラリーマンの方の場合は給与所得の金額)が1,000万円以下で、上記の雑損控除の適用を受けない場合には、「災害減免法」により、その年の所得税が次のように軽減又は免除されます。

所得金額の合計額 軽減・免除される所得税の額
500万円以下 所得税の額の全額
500万円超~750万円以下 所得税の額の1/2
750万円超~1,000万円以下 所得税の額の1/4

災害減免法の適用を受けるためには、確定申告書等に適用を受ける旨、被害の状況及び損害金額を記載することが必要です。また、災害減免法と雑損控除のどちらを受けるかは有利な方を選択できます。

6.通勤費や職務上の研修、資格取得費用等を支出した場合(特定支出控除)

サラリーマンの方が「特定支出」をした場合、その年の特定支出の額の合計額が、その年の給与所得控除の額の二分の一を超えるときは、確定申告によりその超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができ、還付申告をすることができます。

例えば年収500万円のサラリーマンの方が年間100万円の特定支出をした場合、1万1千円から2万3千円の還付が受けられます。

【特定支出控除を適用した場合の給与所得の金額の計算】

給与所得の金額 = 給与収入の金額-給与所得控除額-(特定支出の合計額 ― 給与所得控除額×1/2)

【特定支出の範囲】

特定支出とは、サラリーマンの方が支出する次のものです。

  1.  一般の通勤者として通常必要とされる通勤のための支出(通勤費)
  2.  転勤に伴う転居のために通常必要とされる支出(転居費)

  3.  職務に直接必要な技術や知識の取得を目的とした研修の受講のための支出(研修費)

  4.  職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費)
    ・・・弁護士、公認会計士、税理士などの資格取得費も対象となります。

  5.  単身赴任などの場合で、勤務地又は居所から自宅への帰宅に必要な支出(帰宅旅費)

  6. 職務の遂行に直接必要な次の支出(勤務必要経費) で、支出の合計額が65万円以内に限ります。

    (1) 仕事に関連する専門書や業界紙の購入(図書費)
    (2) 制服、事務服、作業服等仕事場で着用することが必要な衣服を購入するための費用(衣服費)
    (3) 得意先・仕入先への接待費、供応、贈答等の費用(交際費等)

【確定申告書に添付する書類】
  • 「特定支出に関する明細書」(様式の入手先:税務署、国税庁ホームページ)
  • 給与支払者が証明する「給与所得者の特定支出控除に関する証明書」(様式の入手先:税務署、国税庁ホームページ)
  • 運賃等の証明書や支出した金額のわかる書類は確定申告書に添付するか提出の際に提示する必要があります。

7.住宅ローンでマイホームを取得したとき

住宅ローンを利用してマイホームの新築や購入した場合で一定要件を満たすときは最長10年間に渡り税額控除の減税措置が受けられます。

マイホームは家屋だけでなく敷地の購入も対象となり、中古物件でも適用になります。

サラリーマンの方の場合、入居した最初の年にこの控除の適用を受けるための還付申告をし、翌年からは年末調整で控除されます。

控除される税額は、マイホームの取得費または住宅ローンの年末残高のどちらか少ない金額の1%、最高40万円(認定長期住宅等の場合は最高50万円)となります。

【確定申告書に添付する書類】
  • 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(入手先:金融機関等)
  • 家屋などの登記事項証明書(入手先:法務局)
  • 売買契約書の写し、請負契約書の写し

(認定住宅の新築等をした場合)

  • 長期優良住宅建築等計画の認定通知書、低酸素建築物新築等計画の認定通知書の写し
  • 住宅用家屋証明書の写しなど

8.認定住宅の新築等をしたとき

次の認定住宅を新築または新築されたものを取得して入居した場合、最高で65万円の税額控除が受けられます。

また、その年の所得税額から控除できなかった残額は翌年の所得税額から差し引くことができます。

① 認定長期優良住宅

② 認定低炭素住宅

【確定申告書に添付する書類】
  • 「認定住宅新築等特別控除額の計算明細書」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)

  • 家屋及び敷地の登記事項証明書(入手先:法務局)

  • 工事請負契約書の写し、売買契約書の写し

  • 長期優良住宅建築等計画の認定通知書、低酸素建築物新築等計画の認定通知書の写し

  • 住宅用家屋証明書の写しなど

9.マイホームに増改築や改修工事をしたとき

マイホームについて増改築や改修工事をした場合、工事や借入金について一定の条件をクリアすれば次の税額控除が受けられます。

9-1.住宅ローンで増改築等をした場合(住宅借入金等特別控除)

10年以上の住宅ローンでマイホームに次の工事をした場合、最高で40万円の税額控除を10年間受けられます。

① 増改築工事をした場合

② 中古住宅を購入して耐震改修工事した場合

【確定申告書に添付する書類】
  • 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(入手先:金融機関等)
  • 家屋の登記事項証明書(入手先:法務局)
  • 請負契約書の写し

(①の場合)

  • 工事の建築確認済証の写し、検査済証の写し又は増改築等工事証明書

(②の場合)

  • 売買契約書の写し
  • 建築物の耐震改修計画の認定申請書の写し及び耐震基準適合証明書など

9-2.住宅ローンで自宅に省エネ改修等をした場合(特定増改築等借入金等特別控除)

5年以上の住宅ローンでマイホームに次の改修工事をした場合、最高12.5万円の税額控除を5年間受けることができます。

① 省エネ改修工事をした場合

② バリアフリー改修工事をした場合

③ 三世代同居改修工事した場合

【確定申告書に添付する書類】
  • 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(入手先:金融機関等)
  • 家屋の登記事項証明書(入手先:法務局)
  • 請負契約書の写し
  • 増改築等工事証明書

9-3.自宅に省エネ改修等をした場合(住宅特定改修特別税額控除)

マイホームに次の改修工事をした場合、最高で25万円の税額控除を受けることができます。

また、この控除は住宅ローンの有無に関係なく受けることができます。

① 省エネ改修工事をした場合(最高25万円の税額控除) (太陽光発電設備工事を含む場合は最高30万円の税額控除が受けられます)

② バリアフリー改修工事をした場合(最高20万円の税額控除)

③ 三世代同居改修工事した場合(最高25万円の税額控除)

【確定申告書に添付する書類】
  • 「住宅特定増改築特別控除額の計算明細書」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)

  • 家屋の登記事項証明書(入手先:法務局)

  • 増改築等工事証明書

9-4.自宅を耐震改修した場合(住宅耐震改修特別税額控除)

マイホームに一定の耐震改修工事をした場合、最高25万円の税額控除を受けることができます。

【確定申告書に添付する書類】
  • 「住宅耐震増改築特別控除額の計算明細書」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)
  • 家屋の登記事項証明書(入手先:法務局)
  • 増改築等工事証明書又は住宅耐震改修証明書

10.上場株式等の売却で損失がでたとき

上場株式等を売却して損失が出た場合、確定申告で上場株式等の配当所得から損失を差し引くことによって上場株式等の配当から天引きされている源泉所得税の還付を受けることができます。

また、その年の配当所得から差し引いても損失が残る場合は、翌年以降3年間繰り越すことができ、翌年以降の上場株式等の売却益や配当所得から差し引くことができます。

【確定申告書に添付する書類】
  • 「確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益計算書及び繰越控除用)」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)
  • 「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)

11.マイホームの売却で損失が出たとき

マイホームを売却した場合、売却代金が取得金額を下回り損失がでることがあります。

マイホームの場合、一定の要件を満たしていれば売却損を給与所得の金額から差し引くことのできる特例があり、確定申告をすることで所得税の還付を受けることができます。

売却損を差し引くことができる特例は次の二つの場合です。

① マイホームを買換え、新たに償還期間が10年以上のローンを組んだ場合

② マイホームの売却時に売却した金額以上に住宅ローンの借入残高がある場合

給与所得の金額から差し引くことのできる損失の金額は次の算式で計算します。

①の場合:購入金額(建物の償却費相当額を控除後) ― 売却金額

②の場合:次のⓐ、ⓑ金額のどちらか少ない金額となります。
 ⓐ: 購入金額(建物の償却費相当額を控除後) ― 売却金額
 ⓑ: 住宅ローンの残高 ― 売却金額

なお、その年の給与所得の金額から損失を差し引いても引き切れない場合には、その損失を翌年以降3年間繰り越すことができます。

【確定申告書に添付する書類】
  • 売却した居住用財産の登記事項証明書、売買契約書の写しなど

(①の場合)

  • 「居住用財産の譲渡損失の金額の明細書《確定申告書付表》」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)
  • 「居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書(租税特別措置法第41条の5用)」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)
  • 買い換えた居住用財産の登記事項証明書、売買契約書の写しなど買い換えた居住用財産の住宅借入金の残高証明書

(②の場合)

  • 「特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書《確定申告書付表》」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)
  • 「特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書(租税特別措置法第41条の5の2用)」(入手先:税務署、国税庁ホームページ)
  • 譲渡資産に係る住宅借入金等の残高証明書(譲渡契約日の前日現在のもの)

まとめ

サラリーマンの方は、勤務先で年末調整しますので、確定申告については無関心の方が多いのではないでしょうか。

今回ご紹介した11の事例は年末調整では対応できない控除ですので、確定申告することで納めすぎの所得税が還付され、翌年度の住民税も減額される場合がありますので是非確認してみてください。

また、ご紹介した事例以外にも還付申告ができる場合がありますのでこの機会に所得税の仕組みを身に着けておくことをお勧めします。

なお、確定申告書の提出を℮-Taxを利用して行う場合、給与所得の源泉徴収票などの第三者が作成した書類についてその内容を入力して送信することにより、これらの書類の税務署への提出を省略することができますので国税庁ホームページを参照してください。

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